こんなことを(恐い話カナ)

幻覚みたいなコト。でもほんとの話。
新人の頃、会社の寮に住んでいたヴォクは、一足先に夏期休暇を取っている友人に連絡をし、
横浜市戸塚の寮まで迎えに来させる。
(実家は静岡県富○市ナリ)
金の無いヴォクと友人は国道1号→134号→箱根旧道(1号)と西へ向かう。
箱根の山を登り始めたあたりから濃霧に襲われ視界が悪い状態。
湯本、大平台と過ぎ、三島方向へ向かうヴォクらは宮下を左折、小湧園も左折と分岐点を徐行しながら
抜けていく。そして霧が酷かったのが小湧谷辺りで視界良好となる。
しかし、視界良好となったのはいいが見たことの無い風景で異変を感じる。
箱根当たりは庭みたいな感じだったので取り留めの無い会話をしながら走り続けていると、
いきなり仙石原にたどり着いた。
まあ御殿場経由で帰ればいいかと話しながら乙女峠を下る。
246を横断し469号を走れば家までほぼ1本道。
269に入った頃、また濃霧に襲われ真夏なのに気温がすごく低い。
カーステから音が途切れだし、カセットテープが悪いなどと会話をしていたら視界が開けて正面に富士山が見えた。
明らかに自分たちが走るつもりの道から外れている。
車をUターンさせ、一度246に戻り裾野当たりから469号に向かおうと走らせた。
数分走らせたぐらいにまた濃霧となったが、なぜか246に戻れずに同じ道を戻っていた。
そして視界が開けて正面に富士山・・・。
 
どうやっても富士山に戻されてしまう現象・・・。
その後、その道を直進すると舗装から砂利道となり最後は行き止まりとなっていた。
その頃には完全にカーステから雑音のみ聞こえる状態となりラジオも入らない。
仕方が無く車をUターンさせ、戻って行くと「この先工事中につき行き止まり」の看板あり。

しかし来た道を戻るしかないので爆走していくと東富士演習場陸自)の草原に迷い込んだ。
もう二人ともパニック状態であったが前へ進むしかなく、また後ろを見る勇気はなくなっていた。
明かりが見えて直進すると、忠ちゃん牧場にたどり着き、469号へ出ることができた。
その後は1本道なので、無事に自宅まで帰ってくることができたが、友人は一人で自宅まで帰る事が
できなくなっており、家に泊めることにした。

翌朝、昨日の幻覚を再現させるべく、469を爆進していったが昨日通った道は見当たらず、また
忠ちゃん牧場へ出てくる道など無かった。
どうしてヴォクらは、富士へ導かれたのかは不明である。
しかし8月13日のお盆時期であったということが関係していると思う。
 
これ以上、話を続けると恐ろしいのでこのぐらいで止めておきます。
ちょっと涼しくなりましたか?